2026年 2月号
「地域の中小企業がエネルギーに取り組むべき3つの理由」
今年度も残すところあと2ヶ月となりました。これまで取り組んできている活動の中で普段あまりお伝えできていないものとして、ここではエネルギー関係について振り返ってみたいと思います。
当所では「ECHO(Energy ConsortiumofHakone Odawara)タスクフォース(委員長:原正樹氏)」を中心に、行政との間では「エネルギー等公民連携懇談会」という会議体を定期的に開催し、小田原市環境部と連携しながら、以下の4つのテーマに取り組んでいます。
1.会員企業の省エネ診断を通した省エネの促進
2.小田原市の脱炭素先行地区(環境省認定事業)の推進への協力
3.地域エネルギー計画の策定
4.会員企業の啓発
中小企業の経営を取り巻く様々な要素のうち、原材料の高騰や人手不足などの目の前の課題があまりにも大きく見えるので、エネルギー、気候変動、脱炭素と言われてもあまりピンと来ないかも知れませんが、実は中小企業の経営にとって、それは、特にエネルギーは大きなインパクトを持っています。
気候変動への対応という環境面も大きいですが、中小企業の経営環境の整備という意味でのまちづくりとして地域経済の好循環をどう作るか? どう地域で廻るお金を増やし廻すかという課題に対してエネルギーはとても大きな要素です。エネルギーを使わない事業者はいないし、そのほとんどを域外から購入しているという現実を見れば、地域からのお金の流出が大きいことに気がつきます。小田原では電力料金だけでも年間数百億と言われています。そのお金をいかに減らすかは大きな課題です。
また、全ての事業者にとってエネルギーの費用は経営コストですから、それを減らすことはコスト削減に直結します。さらには、エネルギー価格の上昇をもたらしている円安や不安定な国際情勢などできるだけ影響を受けないエネルギーに切り替えることも有効です。
これらの議論は一年ほど前に日本商工会議所へ提出した意見書「地域経済の好循環づくりはエネルギーで」をまとめてありますので、そちらをご覧ください。
日本商工会議所に提出した意見書はこちらから
https://www.odawara-cci.or.jp/global-data/20260203145531682.pdf
まずはエネルギーを賢く使い、使う量を減らすこと。省エネです。省エネ診断を受ければ自社のエネルギーの無駄が目の前に示されます。簡単な例は、古い冷蔵庫を入れ替えたり、照明器具をLEDに換えたり、工場のパイプに被覆するとか、今すぐできて効果的なことが発見できます。そのための補助金もあります。まだまだ中小企業の省エネは濡れたタオルです。まだ省エネ診断をお受けになっていない方はぜひ、ご一報ください。
次に、地域で賄えるエネルギーは地域で創る、つまり、再生可能エネルギーの創エネです。それを進めるための「地域エネルギー計画」の策定を提案しています。ここではその進捗を報告します。どういうエネルギーをどう使ってどういう地域をつくっていくのかはまさにまちづくりそのものであり、国に任せるばかりでなく、地域が公民連携し、自らが考えるべきと考えました。
計画づくりは、前述のECHOタスクフォースが小田原市環境部と連携しながら次の3つのステップで進めています。
STEP1はまず、地域でどういうエネルギーをどのくらい使っているのか?(現状把握)
STEP2でそれをどれくらい減らせるのか?(省エネポテンシャル)
STEP3では、1.2.であぶり出した必要なエネルギーをどう賄うか?
これまで約2年間をかけてSTEP1とSTEP2はほぼ完成しました。 STEP3については、地域のエネルギーに関わる全てのステークホルダーの知恵とノウハウと意思を集結して策定すべきということで、新年度(26年4月以降)にオール小田原での体制をつくって進めるべく小田原市が準備を進めています。全体像を考える公民の協議会とその下でより具体的な議論と計画策定をする分野別のワーキンググループ(例えば、製造業、商業、交通運輸業、住民、農業など)を置きます。
行政が中心となり、当所も含めたステークホルダーが合意した「地域エネルギー計画」を策定することで、その計画は公の中長期的な政策となります。そうすることで、企業は投資が、金融機関は融資がしやすくなります。現在問題になっている環境破壊につながる野放図な再エネの開発なども管理しやすくなるはずです。この計画は全国1700余の地域に先立ってのものですし、小田原モデルとして全国、世界に発信できるものになるはずです。
当所では今、来年度の全体の活動計画の策定の作業に入っていますが、エネルギーについては引き続き積極的に関わっていくつもりです。
会員の皆さまには、ぜひ他人事と思わず、持続可能な地域づくりとそれぞれの企業のメリットをもたらす機会としてご関心を持っていただければと思います。


会員検索
交通のご案内