小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2026年5月号

「ピンチをチャンスに」

 会員企業の皆さまの多くはアメリカとイスラエルによるイラン攻撃に端を発する緊迫した中近東情勢の影響を大なり小なり受けていることと思います。先日当所で実施した緊急アンケート調査に迅速かつ多数お答えいただけたことにもその緊迫度を感じます。ガソリン価格の高騰や石油由来の製品、原材料価格の高騰と調達への支障に収まらず、消費者の購買意欲が冷めること、加えて観光への影響も懸念されます。さらには今の時代の暮らしと経済活動がいかに石油製品に依存という実態を痛みを伴って思い知らされました。

 影響の程度は業種業態にもよるかと思いますが、いずれにしても何らかの対策に迫られていることとお察しいたします。

 短期的には、緊急の資金調達、商品のスペックの見直し、原材料の代替仕入れルートへの切り替えなどが必要でしょう。さらには、国際情勢や為替といった外部環境の影響を受けないように自社の経営環境を変えていくこと、例えば、エネルギーに関しては省エネの推進と再生可能エネルギーの地産地消です。ぜひ、当所のECHOタスクフォースにお問合せください。

 長期的には、要する時間とコストという難題はありますが、石油由来製品を減らすことも含めた産業構造の変革と新しいライフスタイルの実現に取組むべきです。何の不自由も感じない時には手がつかない課題に対して、危機に直面してはじめて真剣になって取組むチャンスとも言えます。「静脈産業」に力を入れることもそのひとつでしょう。産業革命以来、化石燃料と地下資源を地中から掘り出し、テクノロジーという知恵で新しい商品を生み出し、マーケッテイングという手法で需要を創り、市場を広げ…という形でビジネスを発展させてきました。それは言うならば「動脈産業」です。それに対して、無駄になっている未利用資源や動脈産業が生み出した廃棄物や副産物の再利用といった分野が「静脈産業」です。ヒトの体の血液には動脈と静脈による循環システムがあるから複雑な体が機能するわけで、世の中にも両方向のビジネスがあってはじめて、エコシステムが働き、持続可能な地球環境が維持できると言えます。

 日本人の特性でしょうか、緊急事態も収まると喉元過ぎればで、いつの間にか忘れてしまい、手を緩めてしまうことはこれまでの歴史が教えてくれます。今回は一過性の「改善」ではなく、イノベーションによる抜本的な「改革」が必要で、そのチャンスでもあると考えるべきでしょう。

 海の向こうの理解不能なリーダーが何を言おうが何をしようが、私たちのこの小田原、箱根の、そして自社の価値やポテンシャルは決して毀損されるべきものではありません。

 私たち中小企業には国際情勢そのものを変える力はありませんし、当所でできることは限られているかも知れませんが、どんなことでも結構ですので、お声を寄せてください。相談にいらしてください。

追申:当所女性会会長、元副会頭で小職の母である鈴木智惠子が4月24日、96歳をもちまして逝去いたしました。改めまして、生前に皆さまから頂戴したご厚儀に心より感謝申し上げます。

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