2026年8月号
「天災は忘れた頃にやってくる」
まずは、今回の熊本地震については、(この原稿を書いている7月末時点では)まだ被害の全容ははっきりしませんが、被災された方々へ謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。当所でも、日本商工会議所、あるいは神奈川県連と連携し、必要な支援を講じていきたいと思います。
さて、タイトルは、物理学者であり随筆家である寺田寅彦の言葉として有名な言葉ですが、今では「天災は忘れる前にやってくる」と言い換えたいくらいに自然災害が多発しています。
いつどこで何が起こるか分からない状況の中で多発する災害を対岸の火事としてはならないと思いまして、当所で進めている防災の取り組みの3本柱を改めてお知らせいたします。
1.会員個社の防災体制(防災マニュアル/BCP)の整備の支援
先日の会員満足度調査(会員3,076社を対象に2026年5月実施)に併せて行ったアンケートによると、回答された43社のうち、災害対策マニュアルやBCP(事業継続計画)を策定している会員さんは131社の3割以下(29.5%)に留まっているというショッキングな結果でした。
【設問3】貴社では、災害対応マニュアルやBCP(事業継続計画)を策定していますか。
策定している 131件
策定していないが策定したい 99件
策定していない 209件
無回答 4件
これまで何度も防災マニュアルやBCP策定のセミナーを開催してきました。また、あまり時間がとれないという会員さんには、1ページで済む簡易なチェックシート「小規模事業者向け 災害時の事業継続のための基本シート」も用意してその普及に務めてきました。
災害時の事業継続のための基本シートはこちらから
https://www.odawara-cci.or.jp/keizokujigyo/20241107.html
ですが、まだまだご存じでない方が多い、まだ着手されていない会員さんが多いということが分かりました。
万が一の事態が起こった時にどういう行動をとるべきか(例えば、社内の緊急連絡網の整備と訓練、避難訓練、取引先へ連絡など)をあらかじめ決めておくこと、そしてその訓練を定期的にしておくこと、そして、その被害を最小に留めるために事前にしておくべき準備(例えば、地震の際の倉庫や棚の荷崩れ防止策、非常用の物資の調達と保管、施設の整備など)が必要です。
全ての会員さんが安心できるレベルにまでなっていただくお手伝いするための取り組みを強化していかなくてはと思っております。
2.地域内連携の防災体制の整備
従来の地域内防災体制は行政と自治会によるものでしたが、当所も関わるようにしました。住民がいない平日にその地域で活動しているのは当所の会員企業で働く従業員の方々ですし、その地域で店舗、工場、事務所といった事業所を有する会員企業が関わらないと地域の防災体制は完成しません。
2021年8月に小田原市と小田原市自治会総連合(126自治会と26自治会連合)と当所の間で防災に関する包括連携協定を結びました。それ以降、行政に音頭をとっていただき、いくつかの単体自治会の集まりである自治会連合とその地域の当所の会員企業との間でより具体的な防災協定を、塗り絵を埋めていくように進めています。小田原市の全土が塗り終わるまで活動を粘り強く進めてまいります。
箱根に関しては観光客の防災を中心に箱根町観光協会/箱根DMOと連携し、体制整備の議論を進めています。
3.広域連携
地域が壊滅的な被害を受けた場合は、他の地域からの支援が必要です。当所と友好関係にあり、二宮尊徳翁のつながりもある日光商工会議所と掛川商工会議所との間で、まず職員同士の交流から始め、会員企業さん同士の交流と連携を、そして最終的には住民同士の顔の見える関係をベースにした相互支援体制の整備に向かって定期的な議論を始めています。
気候変動の影響もあり「天災は忘れる前にやってくる」時代になってしまいました。天災をなくすことは難しいですが、少なくとも人災は無くさねばと、当所の防災の取り組みを強化しなくてはと改めて思ったしだいです。
当所の取り組みについてのご質問、ご要望があれば、ぜひ、お寄せください。


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