小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2026年9月号

「円安、金利、人口動態、国際紛争、気候変動・・・多事自論」

 自力ではどうにもならない、いわゆる、経営の外部環境に私達の商売は大きな影響を受けています。

 一昔前、円安は日本経済全体にとってはプラス効果をもたらすと思われていましたが、産業構造が大きく変わる中で、マイナス効果が上回っています。特に私たち地域の中小企業は、円安が引き起こしている原材料やエネルギーコストの上昇で苦しんでいます。では、円ドルの為替レートはいくらが適切なのでしょう?難しい経済学の世界では色々な理論があるようですが、素人の私が考えるに、日本とアメリカで同じ(ような)商品がいくらで売られているかを見るのが手っ取り早いのではないかと思っています。例えば、ハンバーガーのビックマックを採れば、日本では500円前後、アメリカでは地域によってばらつきはありますが、概ね5〜6ドルです。そのまま、換算すると1ドル100円です。(この考え方は実際の為替レートで換算して比較して高い安いを示す英国の経済誌「The Economist(エコノミスト)」が1986年から毎年、発表する「ビックマック指標」とは異なります。)

 実際の生活感覚からすると、1ドル=100円〜120円程度が妥当だと私は思うのです。それが160
円となっている実勢が歪んでいると考えるのは見当違いでしょうか?

 日本の低金利による日米の金利差が円安の起因だとすれば、適正な金利は負担しても、為替を正常化し、適正な経営コストでまっとうな商売ができる環境を創ることを国は考えて欲しいものです。

 金利のある時代です。私がまだ若かった頃(こういう言い方は歳をとった証拠ですが)には金利負担は当たり前でした。それでも利益が出る経営を模索してきました。お金を借りることに負担がないというのは、私達の中小企業経営者にとっては、ありがたくもあり、同時に甘さにつながる面もあったと思います。これからは、きっちりと金利を払って、社員の給料を上げ、設備投資をして、利益を出すための戦略戦術の練り直しの覚悟が求められていると思います。

 人口動態の激変、つまり、人口減、高齢化、少子化、世帯人数減は、働き手の減少と国内市場の縮小を引き起こしています。シニアを含めた全員活躍、副業人財の活用、視点を変えた販売方法の展開や商品・サービスの開発、さらには、新しい視点での(静脈産業も含めた)事業開発、そのための事業構想力など、取り組むべき課題は山積です。
が、それは同時にチャンスでもあります。

 不安定な国際情勢と勃発する紛争は世界的なバリューチェーンとサプライチェーンを破壊しています。為替の問題も併せ、できるだけそれらの影響を受けにくい経営環境を自ら創ることを考え始める時が来たと思います。

 最後に気候変動。日本中で頻発する台風や大雨の被害は、環境問題を超え、いまや私達のいのち、暮らし、商いを直撃しています。気候変動の大きな要素はエネルギー問題です。省エネと地域での再生可能エネルギーは大きな課題でありチャンスです。小田原市では「脱炭素先行地区」に続いて「エネルギーアクション協議会」が立ち上がりました。

 今、原稿を書いている部屋の外は居座る秋雨前線が予測不能な雨を降らせています。自力ではどうにもならないことが多いのは事実ですが、自助努力は諦めたくはありません。

 自社だけで足りない、やりきれないこともあるかと思います。当所の展開する様々なプログラムに関心を持っていただき、お役に立てるものはぜひ使ってください。

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