小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2026年10月号

「創立80年の節目に寄せて」

 お世話になっております。行政をはじめ、地域のステークホルダーの皆さまに、そして、共に歩んでくださっている会員企業とその社員の皆さまのおかげ様で、80周年を迎えられましたことに深く感謝申し上げます。そして、去る10月23日には式典と祝賀会を、320を超える多くの皆さまにご参集いただき、盛会裏に開催できましたことを報告申し上げます。

 第二次世界大戦の終戦から間もない、まだ混沌とした世の中で、新しい時代に向けて当所の設立に立ち上
がった地元の先輩経営者の方々の熱意と、激動の時代の流れの中でそれを引き継ぎ今につないでくださった会員、役員の先輩経営者のご苦労に思いを馳せております。

 80年が経った今、国内では人口減少、少子化、高齢化がもたらす働き手不足、市場の縮小、消費者マインドの変化などビジネス環境は大きく変わっています。円安による経営コストの上昇も目前の課題です。世界に目を向ければ、不安定な国際情勢と頻発する紛争は自由貿易を危うくしています。気候変動は暮らしに経済に、さらには命にまで危害を及ぼし始めました。人類の知性を超えるかの勢いで進化するAI。世の中はまさに不確実な時代になってしまいました。

 そんな時代に迎える当所の80周年の節目の年に掲げたテーマは「温故知新」としました。過去を振り返るだけでなく、これからの活動にとって意味のあるものにしたいと思いました。これまでに感謝し、学び、し
かし、それに囚われない自由な発想と大胆な行動でこれからに活かす、いわばイノベーションを表現する機
会にしたいと思い、2つの記念事業を展開してまいりました。

 まず、一つ目です。これまでの80年間に様々な活動に取り組んでくださった先達たちの知恵がどこにどの
ような状態で存在しているかというと、その多くは紙ベースで倉庫にうず高く積まれた段ボールの中で眠っていて、それらを参考にしたいと思ってもどこに何があるかも分からず、段ボールをひっくり返して探さないと使うことができません。まさに宝の持ち腐れです。そこで、過去の資料をデジタルデータ化し、AIを活用し、それらの知恵を簡単に引き出せる仕組み、当所が所有する知財の活用システムを立ち上げました。多分、どんな会社でも団体でも同じ悩みをお持ちかと思います。当所でその解決のモデルを示せれば、会員さんのお役にも立てるのではないかとも思いました。ご興味があれば是非お問い合わせください。
 さて、二つ目は、当所ならではの楽しい企画です。オリジナルのオペラを制作し、上演しました。テーマはわがまちの誇り、二宮尊徳翁です。但し、江戸時代にこんな偉い人がいましたという単なる偉人伝ではなく、翁の教えである「一円融合」「至誠」、「勤労」、「分度」、「推譲」といった「報徳思想」とその実践の具体的手法である「報徳仕法」が現代の中小企業の経営にどのように活かせるか、悩める中小企業の経営者が現代に舞い降りた尊徳翁から学ぶ姿を、江戸時代と現代を行ったり来たりするユニークな舞台回しのオペラに仕立てました、今後も「(一社)小田原オペラ」の演目のひとつとして、小田原発で全国各地で上演していただければと願っています。

 教科書のない時代と言われます。変えるべきものと変えてはならないものを見極めつつ、過去の成功体験に拘泥するのではなく、個々の企業にとっても社会全体にとっても「イノベーション」が必要な時なのだと思います。そんな時代認識のもと、温故知新=「これまでに感謝し、これからに活かす」をヒントに、引き続き、「知恵を集め、力を束ね、お互いを活かし合う」地域のプラットホームとしての商工会議所を目指してまいります。引き続きのご指導とご支援をお願い申し上げます。
 

入会のご案内

ページの先頭へ