小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2020年 9月号

コロナと気候変動の関係とは?

 また台風の季節が来ました。テレビのニュースは各地の連日の猛暑に加えて、日本沿岸の海水温度が 30℃を超えていると伝えています。30℃という温度は南洋や東シナ海の水温なのだそうです。海水が 30℃を超えると台風が発生します。ですから、これまで台風は南洋で発生し、北上して日本列島に上陸するというパターンで、その際、日本沿岸の海水はそれほど高くなかったので台風は勢力を衰えさせながら日本に近づくというのが普通でした。ところが最近の台風は日本列島の間近で発生し、勢力を衰えるどころか逆に勢力を増しつつ上陸するようになっている。箱根に大雨を降らせ、ここ小田原箱根に甚大な経済的な被害をもたらした昨秋の台風19号がその典型です。日本列島の沿岸の海水温の上昇が原因で、それは、もはや異常気象ではなく、地球環境の変化がもたらす気候変動そのものだと分かります。気候変動とは、地球の裏側のことでもなく、グローバル企業の問題ではなく、私たち地域の中小企業にとっても、まさに日々の商売に大きな影響を及ぼす自分事だと悟った方々も多いと思います。
 私たちは今、コロナ禍で悪戦苦闘を強いられ、なかなかそれ以外のことに目を向ける余裕がないかも知れません。が、しかし、気候変動の危機が無くなったわけでもありませんし、むしろ、その重大性は増しています。
 WITH&POSTコロナの時代が「来るべき未来」の姿だとしたら、もう後戻りはできません。来たるべき世の中で、まずはコロナで傷んだ経済をどう回復させ、さらにわが社、わが地域をどう輝かせていくのかを考えていかなくてはなりません。そのキーワードとして、様々な識者の方々が「持続可能性」、「脱炭素」、「循環型経済」、「集中から分散」などを挙げています。ウイルス蔓延の誘因として、これまでの人類の経済活動が自然界の生態系へ与えた影響についても検証されるべきでしょう。「コロナからの回復」と「気候変動への対応」は切り離しては考えられないということだと思います。
 当所では、今年度の活動計画の大きな柱として気候変動を掲げました。昨年末から会員有志による「気候変動タスクフォース」を中心に具体的な活動計画を練っていただいておりましたが、このコロナ対策を優先させ一時活動を停止しておりました。が、このほど、再稼働しました。来たる10月27日にキックオフの催しを会場(湯本富士屋ホテル)とWEBのハイブリッド型で開催します。詳細はこれから詰めていきますので、決まり次第にお知らせします。そのメインイベントとして小田原、箱根の行政、議会、自治会と私たち商工会議所が地域を挙げて「気候変動を正しく理解し、行動しよう」という宣言の発信の準備をしています。そして、宣言の先の大切なことは、この気候変動という一見取り掛かりようのない大きな宿題について、会社の規模の大小や業種業態に応じて会員さんが取り組んでいただける具体のプログラムを用意するだと思っており、タスクフォースの皆さんが今知恵を絞ってくださっています。
 コロナの時代の経済と地域のあるべき姿をご一緒に考え、会員それぞれの会社やお店のあるべき姿のヒントになればと思っています。10月27日の午後のカレンダーの印をお願いします。乞うご期待です。
 ちょっと遅れましたが、小田原箱根商工会議所の気候変動への取組のキックオフです!
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