小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2021年 7月号

天災は忘れた頃にやってくる

 戦前の物理学者であり、随筆家であり、俳人でもあった寺田寅彦翁の言葉としてよく引用される言葉「天災は忘れた頃にやってくる」は経営者としていつも心に留めておくべきだと思います。
 10年前の東日本大震災、6年前の大涌谷の小噴火、2年前の台風19号による箱根の豪雨は記憶に新しいものです。そして、コロナもその一つかも知れません。
 人知ではどうにも発生を抑えることが難しい自然災害も多いですが、少なくとも起こってしまったらどうするという準備は必要ですし、ある程度できることはあるはずです。当所では防災委員会(倉田委員長)を中心に、次の2つを進めています。

1.会員企業の自社のBCP(Business Continuity Plan・災害対策と事業継続計画)策定のお手伝い
 自然災害が起こったら自分の会社はどうするか? まずは、行政や外からの支援が期待できない3日間をどう生き延びるか? どう従業員や顧客の安全を守るのか?
 そして、次にどう事業を再開し、復旧していくのか?をあらかじめ決めて、訓練をしておくということです。

2.行政、自治体、当所の会員企業が自治会単位での協力体制の構築
 災害時の地域での対応は自治会に任されています。防災倉庫のカギは自治会長さんが持っているケースが多いです。有事に迅速に動けるかどうか不安です。自治会単位で避難訓練もやられていますが、住民が集まりやすい日曜日開催が多いようです。が、災害は週末に来るとは限りません。お勤めで普段いらっしゃらない方が多い日中にいるのはその地域で事業をしている当所の会員さん(とその従業員)です。ですから、有事に自治会、事業者と行政が普段から顔の見える関係を作り、万が一の時にはお互いにどう助け合うのか事前に決めておき、それに従って皆で訓練をしておくことが重要です。そんな三位一体の地域での防災体制をそれぞれの地域(自治会、あるいは地区の自治会連合ごと)で作ることを進めてまいります。

 気候変動の影響も大きく、天災がいつでもどこでもなんでも起こりうる時代になってしまいました。会員企業さんが自社と従業員を守り、地域を守るために当所も力を尽くしてまいります。どうか、自分ごととしてその動きに加わっていただくことをお願いいたします。

追申
 この原稿を認めたのが6月末でした。皆さまのお目に触れるまでに、熱海が大変な時状況になってしまいました。お亡くなりになった方々のご冥福を祈りつつ、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧と復興に当所としてできるお手伝いはしてまいります。
まさに、天災は忘れた頃にやってきてしまいました。

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