小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2023年 2月号

今こそ、省エネを

 円安やロシアによるウクライナ侵略などの不安定な国際情勢が引き起こしているエネルギーコストの急激な上昇は、程度の差はあれども業種業態を問わず中小企業の経営に大きな負担となっています。今後も元の水準に戻るかは疑問です。会員の皆さまもさぞお困りではないでしょうか? 対応は具体的にはどうなさっていますか? 打つ手が思いつかないという方は、まずは商工会議所にご相談ください。
 
 エネルギーに関しては2つの要素でとらえるべきだと思っております。

  1. まず考え、実践すべきことは、無駄なエネルギーを使わない=効率的にエネルギーを使う=省エネです。
  2. その上で、必要なエネルギーの種類と量をどう賄うかを考えることです。

 
 コスト的にも、地球環境的にも、一番いいのは「使うエネルギーを減らす」ことです。現状をそのままにして、例えば、いきなり太陽光発電を考えるというのではなく、現状の設備、施設、運用のどこに無駄があるかを論理的、専門的、科学的な視点で調べて、その対策を打つことから始めましょう。その際に大切な視点はエネルギーが電力だけではないということです。最終的なエネルギー消費を見てみると、電力が占める割合は3割程度で、その他は動力、熱(冷・温)です。ですから、エネルギーのことを考える際には電気のことだけでは片手落ちということになります。例えば、事務所の窓ガラスが古いもので室内の熱が漏れていたり、逆に外の陽射しや冷気が部屋に入ってきていないか? ボイラーを使っている工場では、ボイラーの熱に無駄がないかという観点でボイラーの配管のパイプの断熱が充分か?を調べます。チェックすべきことはたくさんあります。改善策には満塁ホームランはありません。細かいことの組み合わせであり積み重ねです。
 
小田原箱根商工会議所では、経済産業省の中小企業向けの省エネ推進の補助事業である「省エネお助け隊」小田原箱根商工会議所| 相談窓口一覧 | 省エネお助け隊ポータル ~ 中小企業の省エネ推進 ~ (shoene-portal.jp)として補助事業者としての認定を受け、会員さんの省エネ診断からその結果を踏まえた上での改善策の実行(補助金申請など)のお手伝いもしています。省エネ診断をして、どこの無駄があるのかを見える化した上で、その無駄を排除していきます。
 
 先般から当所は小田原市に中小企業にとって使い勝手のいい省エネ関連の補助メニューの導入を要望しておりました。それを受けて、小田原市では環境省の補助金を活用し、まだ使い勝手に改善の余地はありつつも、省エネの補助金制度を設けてくれました。
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/554702/1-20221011100333.pdf
例えば、照明が従来品であればLEDに、空調が古い物であれば最新の機種への入れ替えをなどが対象になります。
 
 省エネをしっかりした上で、必要な電力も含めたエネルギーをどう賄っていくのかを考えましょう。その際に重要なことは再生可能エネルギーをどう増やしていくのか? それをどう地産地消でやっていくのか?です。小田原地域で皆さんが毎年支払っている電力料金は年間300億円とも400億円とも言われています。そのお金は、残念ながらこの地域に戻ってきません。一部の大企業の内部留保として貯えられ、あるいは、一部は海外から輸入する年20兆円を超える化石燃料の輸入代金として海外へ流出しています。私たちが毎年既に支払っているそのお金は少しでも地域で廻し、地域の課題の解決に使うべきでしょう。
 地球規模で気候変動が激化する中、人類共通の課題である脱炭素にとっても、地域経済にとっても、自社の経営にとっても「省エネ」と「再生可能エネルギーの地産地消(創エネ)」は重要です。
 創エネに関していえば、エネルギーコスト、特に電力料金が高騰している今こそ、皮肉にも投資のチャンスでもあります。例えば、高い電力料金との見合いで太陽光発電の投資回収が以前より短い年数でできるようになってきました。
 
 いずれにしても、まずは直近の経営コストを抑え収支を改善するための方策を講じましょう。ぜひ、当所にお問い合わせください。
 
 

 
 

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