小田原箱根商工会議所は、小田原・箱根の企業を応援しています。


2025年  8月号

「酷暑の夏に」

 酷暑が続きます。単なる不快さを超えて身の危険さえ感じるような暑さです。完全に気候が変わってしまったようです。加えて、日本列島を囲む海水の温度も30℃に上がり、その影響で台風も従来は東南アジアの海上で発生したものが、より日本列島に近い場所へと発生の場所を変え、そこから近づくに従って勢力を弱めるのではなく逆に勢力を増しながら上陸し、豪雨を降らせる。2019年10月に箱根に降った24時間で1000ミリの豪雨とその被害は記憶から消えません。気候変動による災害は今後さらに激甚化しつつ、ずっと続いていくことでしょう。気候変動を通り越して、今や気候危機と呼ぶべき事態かも知れません。
 
 この国は春夏秋冬という四季の移ろいを基本に、暮らし、文化、ビジネスが成り立ってきましたが、もしかしたら春と秋がなくなり、暮らしもビジネスも根本的に見直しを余儀なくされるかも知れません。すでに、例えば、アパレル業界では春物と秋物という品揃えが、寒い時期と暑い時期の2つをベースにする考えに変わってきているそうです。気候変動、脱Co2対策のアクションはアメリカの理解不能な大統領が何と言おうと取り組まなければなりません。
 
 さて、「熱中症に注意しましょう!」「エアコンを使いましょう!」「外出は控えましょう!」など暑い暑いと皆が右往左往する中で、誰もこの熱を利活用しようと具体的に考え動かないのはなぜなのでしょう? 特に、エネルギーに関わる仕事をしている人や会社が。太陽光発電だけでなく、太陽の熱を熱として利活用することです。単純に言えば、太陽熱で湯が沸きます。熱を貯める技術も実際に存在しますし、さらに実用化に力を入れるべきです。普及させれば設備コストも下がります。

 国や大手電力会社は、巨大な湯沸器にすぎない極めて問題の多い原発の再稼働に加えて、なんと新設にまで舵を切ろうとしています。そんな経済合理性もない、将来に負の資産(使用済み核燃料や廃炉)を残すことになることに力を入れるより、目の前で誰もがその対応に困っている膨大な太陽のエネルギーを上手に使うことに国を挙げて具体的に取り組むべきではないでしょうか? 太陽を熱源として活用すれば原料コストはゼロです。為替や国際情勢の影響も受けません。(太陽熱を熱源として活用する技術と設備の開発(=商品化)が待たれます。)熱に注目することで、断熱を通じて省エネも進みます。
 
 当所では経済産業省の省エネ診断「省エネお助け隊」事業の受託者として、会員さん向けの「省エネ診断」の実施と、それに続く、熱にも注目した再エネを使った地域での地産地消の拡大に取り組んでいます。省エネ診断を受けることによって、自社、自店のエネルギーの無駄が目の前に明らかになります。そして、無駄を排しより賢いエネルギーを使うための現場改善設備導入のための補助金のご相談から獲得までのお手伝いまでをいたします。

 より多くの方々の具体的なアクションの積み重ねが、結果として気候変動を緩和することにつながると思うのです。ぜひ、ご一報ください。
 

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